2020年度から小学校で必修化されたプログラミング教育。2026年現在、家庭で取り組める教材は急速に充実しています。「どの教材を選べばいいのか分からない」「無料で始められるものはあるのか」と悩む保護者の方も多いでしょう。
小学生向けプログラミング教材を無料アプリ・タブレット対応・Scratch・ロボット教材の4カテゴリに分けて比較しました。対象年齢・価格帯・必要な機器まで一覧で確認できます。
- 無料で今日から始められるプログラミング教材3選
- タブレットだけで学べるアプリ型教材の特徴
- Scratchを使った本格的な学習ステップ
- ロボット教材の選び方と価格帯別おすすめ
無料で始められるプログラミング教材3選
プログラミング学習の第一歩として、費用ゼロで試せる教材は心強い味方です。教育現場でも採用実績が豊富な3つの無料教材を取り上げました。
Scratch(スクラッチ)
Scratch 3.0は、MIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボが開発したビジュアルプログラミング言語です。対象年齢は8歳以上で、ブロックをドラッグ&ドロップするだけでゲームやアニメーションを作成できます。世界中で1億件以上のプロジェクトが共有されており、他のユーザーの作品を参考にしながら学べるのが大きな魅力でしょう。ブラウザ上で動作するため、追加ソフトのインストールは不要。タブレットにも対応しています。
Viscuit(ビスケット)
Viscuitは、NTTの研究から生まれた日本製のプログラミング言語です。対象年齢は4歳からと低く設定されており、文字が読めないお子さんでも「メガネ」と呼ばれる仕組みで絵を動かせるのが特長。スマートフォンやタブレットのアプリとしても提供されているため、通信環境さえあればすぐに体験可能です。幼稚園や保育園での導入事例は年間約500施設にのぼっています。
Hour of Code(アワーオブコード)
Hour of Codeは、Code.orgが提供する1時間完結型のプログラミング体験コースです。マインクラフトやスター・ウォーズなど、子供に人気のキャラクターを使った40種類以上のチュートリアルが無料で公開されています。1回あたり約60分で完結するため、「まずはプログラミングに触れてみたい」という段階に最適でしょう。日本語対応済みで、ブラウザだけで動きます。
タブレット対応のアプリ型プログラミング教材

パソコンがなくても、iPadやAndroidタブレットだけで本格的なプログラミング学習ができる時代になりました。通塾不要で自宅学習できる点も、忙しい家庭にとっては見逃せないポイント。実際にタブレットだけで完結する教材を3つ紹介していきましょう。
スプリンギン Springin(約550円/月)
Springin(スプリンギン)は、福岡発のビジュアルプログラミングアプリです。自分で描いた絵に「属性」をつけることでゲームや絵本を制作可能。対象年齢は5歳以上で、基本機能は無料で利用できます。教育機関向けの有料プラン「Springin Classroom」は月額550円(税込)から。2024年には累計ダウンロード数が100万件を突破しました。直感的な操作で低学年のお子さんでも取り組みやすく、創造力を伸ばす仕組みが高く評価されています。
プログラミングゼミ(無料)
DeNAが開発したプログラミングゼミは、小学校1〜3年生向けに設計された完全無料のアプリ。ブロックを組み合わせてキャラクターを動かし、全150以上のステージをクリアしながら論理的思考を身につけていく構成です。iOS・Androidの両方に対応しており、渋谷区の公立小学校全校で採用された実績も。保護者向けの学習進捗レポート機能が備わっているため、お子さんの到達度を把握しやすい設計になっています。
Scratch Jr スクラッチジュニア(無料)
Scratch Jrは、5〜7歳の幼児向けに設計されたScratchの入門版アプリ。ひらがなが読めなくても、アイコンベースのブロックで物語やゲームを作れます。iPad・Androidタブレット・Chromebookに対応しており、完全無料で利用可能です。Scratchへのステップアップ前の導入教材として、全国の幼稚園や小学校低学年クラスでの活用が広がっています。
Scratchで本格的に学ぶための3ステップ

無料教材の中でも特に人気の高いScratch。段階的に学ぶことで中学校のプログラミング授業にもスムーズに接続できます。家庭での学習ステップを3段階で整理しました。
ステップ1:公式チュートリアルで基本操作を習得(1〜2週間)
Scratch公式サイトには、初心者向けのチュートリアルが20種類以上用意されています。「名前を動かそう」「追いかけっこゲーム」など、15〜30分で完結するプロジェクトを毎日1つずつ試していくと、約2週間で基本操作が身につくでしょう。保護者がアカウントを作成すれば、作品の保存や共有もできます。
ステップ2:書籍で体系的に学ぶ(1〜3か月)
基本操作に慣れたら、書籍を使って体系的な学習へ。おすすめは「できるキッズ スクラッチでゲームをつくろう!」(税込1,210円)や「小学生からはじめるわくわくプログラミング2」(税込2,090円)の2冊。変数・条件分岐・繰り返しといったプログラミングの基礎概念を、ゲーム制作を通じて学べます。1冊あたり10〜15個の作例が収録されており、完走には約1〜3か月が目安です。
ステップ3:オリジナル作品の制作と共有(3か月〜)
基礎が固まったら、オリジナルのゲームやアニメーションを制作してScratchコミュニティに公開してみましょう。世界中のユーザーから「いいね」やコメントをもらえるため、お子さんのモチベーション維持に効果的。Scratchのコミュニティには月間約8,000万人のアクティブユーザーがいるとされており、自分の作品が世界と繋がる体験は大きな自信になるはず。「リミックス」機能を使えば、他の人の作品を改造して新しい作品を作ることも可能です。
ロボットプログラミング教材の比較と選び方

画面の中だけでなく「実際にモノが動く」体験は、プログラミングへの興味を一気に高めてくれます。ロボット教材は価格帯が幅広いため、予算と学習目標に合わせた選択が重要。主要4製品を比較表にまとめました。
| 教材名 | 対象年齢 | 価格帯(税込) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| micro:bit V2 | 8歳〜 | 約3,300円〜 | LED・センサー内蔵の小型ボード |
| LEGO SPIKE Essential | 6歳〜 | 約35,000円〜 | レゴブロック+Scratchベース |
| LEGO SPIKE Prime | 10歳〜 | 約55,000円〜 | Python対応・ロボコン出場可 |
| mBot2 | 8歳〜 | 約19,800円 | AI・IoT機能搭載の走行ロボット |
おもちゃ レゴ LEGO プログラミング レゴ(R)エデュケーション SPIKE(TM)プライム 基本セット STEAM教育 知育玩具 知育おもちゃ ブロック
75,900円 (税込)
micro:bit V2 マイクロビット(約3,300円〜)
micro:bit V2は、縦4cm x 横5cmの手のひらサイズのコンピューターボード。価格は約3,300円からと手頃で、25個のLED・加速度センサー・マイク・スピーカーを内蔵しています。MakeCodeエディタ(無料)を使ってブロックプログラミングができ、慣れてきたらJavaScriptやPythonにも切り替え可能。イギリスでは11〜12歳の全生徒に無償配布された実績があり、教育現場での信頼性は折り紙付きです。周辺パーツ(モーターやセンサー)を追加すれば、ロボットカーやIoTデバイスも制作できます。
LEGO SPIKE Essential レゴ スパイク エッセンシャル(約35,000円〜)
LEGO SPIKE Essentialは、6歳以上を対象としたレゴブロックベースのロボット教材。Scratchベースのプログラミング環境で、モーターやセンサーを組み込んだ作品を動かせます。価格は約35,000円と初期投資はかかりますが、レゴブロックとして遊ぶこともできるため長期間活用可能。全国の小学校約1,200校で採用されている実績があります。ストーリー仕立ての学習コンテンツが充実しており、堅苦しさなく取り組めるのが特長でしょう。
Makeblock mBot2 エムボット2(約19,800円)
mBot2は、Makeblock社が開発した走行型ロボット。価格は約19,800円(税込)で、Wi-Fi通信・ジャイロセンサー・超音波センサーなどを搭載しています。専用アプリ「mBlock」でScratchベースのプログラミングができるほか、AI顔認識やIoT連携といった発展的な学習にも対応。組み立ては約30分で完了するため、届いたその日から使い始められます。ライントレースや障害物回避を通じて、センサーとプログラムの連動を体感的に学べる設計です。
プログラミング教室と自宅学習の費用比較
教材選びと並んで悩むのが「教室に通わせるか、自宅学習にするか」という点。費用面から両者を比較してみましょう。
| 学習方法 | 月額費用の目安 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 無料教材(自宅) | 0円 | 費用ゼロ・いつでも開始可能 | つまずいたときのサポートなし |
| 書籍+教材(自宅) | 1,000〜3,000円 | 体系的に学べる | 保護者のフォローが必要 |
| オンライン教室 | 3,000〜15,000円 | 講師のサポートあり・通塾不要 | 画面越しの指導に限界あり |
| 通学型教室 | 8,000〜20,000円 | 対面指導・仲間との交流 | 送迎の負担・時間固定 |
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通学型のプログラミング教室の月謝は平均約10,000〜12,000円で、入会金が5,000〜15,000円別途かかるケースが一般的。まずは無料教材やオンライン体験レッスンでお子さんの適性を確認してから、教室の検討に進むのが費用対効果の高い進め方でしょう。オンライン教室は月額3,000〜8,000円と通学型より手頃な価格帯が多く、地方在住の家庭でも質の高い講師の指導を受けられます。
よくある質問
Q. プログラミング学習は何歳から始めるのが最適ですか?
A. 一般的には5〜6歳頃からビジュアルプログラミング(ViscuitやScratch Jr)で遊び感覚で始め、8歳以降にScratchやmicro:bitへステップアップする流れがスムーズです。
Q. パソコンとタブレット、どちらが向いていますか?
A. 低学年はタッチ操作が直感的なタブレットがおすすめ。Scratchやロボット教材を本格的に使う中学年以降は、キーボード入力やファイル管理を学ぶためにもパソコンへの移行を検討してみてください。
Q. 無料教材だけで十分に学べますか?
A. Scratchだけでもプログラミングの基本概念(変数・条件分岐・繰り返し)は十分に学べます。体系的なカリキュラムが欲しい場合は書籍(1,000〜2,000円程度)を1冊併用すると効率が上がるでしょう。
Q. プログラミング教室の体験レッスンは無料ですか?
A. 大半の教室が無料体験レッスンを実施しています。オンライン型では1回60〜90分、通学型では60分程度が一般的。複数の教室を比較してから入会するのがおすすめです。
Q. ロボット教材は壊れやすいですか?
A. micro:bitは基板むき出しのため、専用ケース(約500〜1,000円)の装着を推奨します。LEGO SPIKEはレゴブロック構造のため比較的丈夫ですが、モーターやセンサーは精密部品。使用後はケースに収納する習慣をつけると長持ちするでしょう。
Q. 中学受験にプログラミング経験は有利ですか?
A. 2026年現在、慶應義塾湘南藤沢中等部や東京都立三鷹中等教育学校など、入試でプログラミング的思考を問う学校が増加傾向にあります。直接的な加点にはならない場合でも、論理的思考力の鍛錬として評価する学校は増えている状況です。
Q. 保護者にプログラミングの知識がなくても大丈夫ですか?
A. 問題ありません。Scratchの公式チュートリアルやHour of Codeは、保護者のサポートなしでも子供が一人で進められるように設計されています。分からないことがあれば、Scratchコミュニティの掲示板で質問することも可能です。
Q. プログラミング学習でゲームばかりしないか心配です
A. Scratchやmicro:bitは「遊ぶ側」ではなく「作る側」の体験を提供するため、受動的なゲームプレイとは異なります。制限時間を決めて取り組む、作ったものを家族にプレゼンするなどのルールを設けると、学びと遊びのバランスが取りやすくなるでしょう。
お子さんのペースに合わせた教材選びを始めよう
プログラミング教材は「高額なものほど良い」というわけではありません。まずはScratchやViscuitといった無料教材でお子さんの反応を確かめ、興味を示したらロボット教材や教室へステップアップしていくのが無理のない進め方です。
低学年のお子さんにはViscuitやScratch Jrでの遊び体験を、中学年以降にはScratchやmicro:bitでの本格的な制作を。高学年ならLEGO SPIKEやmBot2でのロボットプログラミングに挑戦してみてください。夏休みや冬休みの長期休暇は、新しい教材に取り組むのに絶好のタイミング。お子さんの「やってみたい」という気持ちを大切にしながら、ペースに合った教材を探してみてください。








